痛風

痛風の症状

痛風とは、急激な足の関節の腫れや激しい痛みを特徴とする疾患であり、主に男性に多く見られます。この症状は「痛風発作」と呼ばれ、突然発症し、発作が起きると2~3日間は歩けないほどの苦痛が続きます。一般的に足の親指の付け根で起こり、関節が赤く腫れ、痛みを伴います。痛みは時間と共に和らぎますが、正しい治療を受けずに放置すると、同様の発作が繰り返され、病態が悪化します。

痛風の原因

痛風の原因は、血液中の尿酸濃度が高まること、つまり「高尿酸血症」です。おそらくテレビCMやお酒のラベルで見たことのある「プリン体」という言葉がありますが、これは身体が正常に機能し、エネルギーを供給するために必要なものです。食事から摂取されるプリン体は全体の2割程度であり、残りの8割は体内で生成されます。このプリン体は代謝後、尿酸という物質に変換されます。過剰な尿酸が血液中に溜まり、結晶化して関節に蓄積します。白血球はこれを異物と誤認し、攻撃し炎症を引き起こすことで痛風発作が起こります。

痛風の治療方法

痛風の治療は、発作時には炎症を鎮めるために消炎鎮痛薬が使用されます。また、局所麻酔剤入りステロイドの関節内注射も有効です。発作の前兆や症状の鎮静化にはコルヒチンも使用されます。発作が治まった後は、長期間にわたって尿酸値を管理する薬を服用する必要があります。すなわち、血中尿酸値が6未満を維持する期間が3年から5年必要です。そのため、痛風の症状が消失しても、薬を勝手に中断してはいけません。なぜなら、再発のリスクが高いからです。

<整形外科で痛風の治療を受けるべきか>

痛風発作の直後では尿酸値が正常でも、高尿酸血症を伴わない「偽痛風」や「化膿性関節炎」といった疾患も痛風と似た症状を引き起こすことがあるため、整形外科医はレントゲンや血液検査結果を考慮して正確な診断を行います。

痛風の予防方法

痛風を予防または症状を改善するためには、食事に気をつけて肥満を改善し、プリン体を多く含む高カロリーな食品やアルコールの摂取を制限することが必要です。また、尿酸の排泄を促進し、痛風発作を防ぐために水分摂取が大切です。甘いジュースやアルコール飲料ではなく、水やお茶を摂るようにしましょう。さらに、ストレスの適切な管理と適度な運動も重要です。ただし、すでに痛風や高尿酸血症がある場合、激しい運動の後は一時的に尿酸値が上昇し、痛風発作を誘発する可能性があるため、注意が必要です。

<プリン体を多く含む食品とお酒>

  • 牛、豚、鶏の内臓(レバーなど)
  • 牛肉や豚肉
  • イワシやアジなどの干物
  • 白子、アンコウの肝臓
  • 車エビ、タコなど
  • ビール、日本酒、紹興酒、ワインなど

<プリン体の少ない食品とお酒>

  • 米、パン、そばなどの穀物
  • 野菜と果物
  • 海藻
  • 鶏卵
  • 豆腐など
  • 焼酎、ウイスキー、ブランデーなど

ページの先頭へ